So-net無料ブログ作成
検索選択

ポーラX [cinema]

ポーラX

ポーラX

 
『ポンヌフの恋人』の鬼才レオス・カラックスが、発表当時“狂気の書”と評されたハーマン・メルヴィルの『ピエール』を映画化。姉と弟かも知れぬ男女が、運命の奔流に溺れてゆく様を綴る。濃密でエモーショナルな映像と音。そして破滅へと疾走する2人を見つめる仮借ない視線はカラックスならではの味わい。森に囲まれたノルマンディの城館で母と暮らす、仮面小説家のピエール。婚約者リュシーとの結婚も間近に控えたある日、彼は自分の姉だと名乗る黒髪の女と出会う...。
 
ビデオの整理をしていたら録画してあったのを見つけたので、DVDに録画しながら久しぶりに観ました。公開時、シネマライズまで観に行った作品で、ロッキング・オンから刊行された写真集まで買ってしまったほど。(←久しぶりにひっぱりだしてみたら、血のように赤い表紙が朱色に変色してしまってた(涙))なんとぃうか、すごく不思議な話なんですよねぇ。非日常的というか。まわりも羨むよぅな幸福な生活を送っていたはずのピエールを突如暴走させてしまった存在。それは実体のない夢だったはずが、現実としてピエールの前に姿を現し、ピエールを光が注ぐ明るい場所から漆黒の闇へと誘っていくんです。それはピエールの姉だと名乗るイザベルという異国からやってきた女性で”自分が変われるきっかけを待っていた”ピエールは彼女の言葉を受け止めたのちに、すべてを捨てて彼女と行動をともにするのですが、行く先々で常に死がつきまといます。ついには自分の姉かもしれぬイザベルと関係を持ってしまい、正気とも狂気ともつかぬ非日常で精神のバランスが壊れ始め、ついには自らの手ですべてを粉々に破壊してしまうといぅ、狂気に駆り立てられた主人公が堕ちていくさまをこれでもか!とばかりにまざまざと見せつけられる、非常にダークでおも~い作品です。それを象徴しているのは話題になったあの赤黒い血の川でもがき苦しむふたりの姿でしょう。もぅ果てしないくらい暗黒です(苦笑)。はじめはなぜピエールはまったく見ず知らずの女性の言うことをあっさり信じて彼女と一緒になるのか理解不能でしたが、もしかすると、ずっと気持ちのどこかで幸福に見える自分の生活に違和感を感じていたのかもしれません。あるいはいとおしく思うあまり何もかも壊してしまいたくなってしまう衝動に駆り立てられたのかも。ピエールが自分の小説にも書いていた、山の斜面から大きく突き出た恐怖岩と名づけた岩の隙間に入っていくシーンがあるのですが、その”無謀な行為”をあえてしたということはすでに堕ちていく覚悟ができていたのかな、と。ピエールはすでに高飛び込みのジャンプ台に立っていて、その背中を押してくれる誰かの手をずっと待っていたのかもしれません。
 
 
森の中でのイザベルの独白シーン。まるで深い穴に引きずり込まれるような不思議なパワーが宿っています。
 
 
「僕らはどこに?」と訊ねるピエールに「すべての外へ」と答えるイザベル。互いに確かなものはふたりだけということを認め合う印象的なシーン。
 
 
マスカラの剥げ落ちた顔でバイクにまたがり闇夜を疾走するドヌーヴさまがカッコよい!(多分実際は運転してなくて誰かに引っ張られてるんだろぅけど)
 
余談ですが主演のギョーム・ドパルデュー(ジェラール・ドパルデューの息子)はその後、バイク事故での怪我で感染症を起こし右足を切断してしまったそうです。

nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 2

イトーさん

こんにちは^^お邪魔いたします。「ポーラX」懐かしいですねえ。masumiさんに連れてってもらって観たの覚えてますよん。意味深なシーン満載な映画でしたね。
人間って、贅沢なもので、一見満たされているからといっても、満足できないものなのかもしれないですね。すべてを捨てて違う人生を歩んでみたい・・・なんて。だれでも一度は思うんじゃないかなあ。
主人公みたいに破滅したくはないけれど(笑)
主役の俳優さん、大変なことになっていたんですね。まだ若いだろうに・・・。
by イトーさん (2007-01-16 10:56) 

masumi

イトーさん、コメントありがとねん♡
そぅだよね、イトーさんと観に行ったのよねぇ。あれからもぅ8年も経つなんて・・・いゃ~月日の流れって恐いです。
かなりヘビーな作品だったので、なんか劇場全体がおも~い空気に包まれてたよぅな気がしたのはワタシだけ?なかなかあそこまでヘビーな映画ってそぅ無い気がします。
この作品以降レオス・カラックスは映画を撮ってないんだよね。イザベルを演じたカテリーナ・ゴルベワもまったく見かけなくなったし。それだけこの作品の持つパワーは凄まじかったんでしょうね。パンフにのってたけど、イザベル役を演じたカテリーナは自殺を図るシーンの撮影後に一晩だ髪が真っ白になっちゃたんだって。主演ふたりの役への入れ込みようも壮絶だったみたいです。ちなみにギョームですが、サクっと調べてみたらなんと政界進出を狙ってるらしぃです。ホントかな?多分仏で出版した自叙伝が評判良かったのかも。
by masumi (2007-01-16 19:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2

メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。